Bumpy Basket - Shigeki Fujishiro

ロープを立体的に配置した格子状の構造のテキスタイルを使用した「Bumpy
Basket」は、ニットテキスタイルの素材が持つクオリティを不規則な波状のデザ
インで表現した、容器のシリーズです。 デザイナーは Kvadrat Febrik の
Uniform Melange、Sprinkles、Apparel ラインを用いて、美しい曲線を生み
出すことに焦点を当て、そこから無駄をそぎ落とした、抽象的な模様でその魅力
をさらに引き出しています。 Fujishiro は選んだテキスタイルの性質を強調する
ため、挟んだロープラティスの周りにテキスタイルを張ることで、各バスケットにソ
フトで一貫性のある構造を生み出しました。

Doric Columns, Kinetic Object – Objects of Common Interest

「Doric Columns, Kinetic Object」は円形の工業用編み機の視覚的特徴に
着想を得た、ファブリックのひだ飾りが特徴のひと組の柱です。 最初の静的な印
象ながら、柱に近づくにつれ、その魅力が生き生きと浮かび上がります。それぞれ
の柱は縦に積み重ねたテキスタイルセクションで構成され、さまざまなスピード
であらゆる方向に自由に回転します。 作品に近づく度、空間を飛び交い、絶えず
フォルムを変化させるテキスタイルによって生み出される、ランダムな視覚効果を
見ることができます。 作品には Kvadrat Febrik の Plecto、Gentle 2、Drop
の各テキスタイルを採用し、さまざまな色を組み合わせています。 Eleni
Petaloti と Leonidas Trampoukis は、ニューヨークとアテネを拠点とするス
タジオ Objects of Common Interest を率いています。

Salamandre – Léa Baert

デザイナー Léa Baert は多分野にわたる活躍をつうじて、セットデザインのテク
スチュアルな要素を常に生み出しています。 そんな彼女の多彩さを前面に押し出
した「Salamandre」では、壮大な山脈の風景を想わせるテキスタイルの作品を
完成させました。 パリの Baert の自宅にほど近いサラマンダー広場にインスピ
レーションを得た「Salamandre」は晶洞石の断面に似たカットアウトセクション
としてデザインされ、内側の空洞がその構造を顕わにしています。 実際的な試み
を好む Baert は、Kvadrat Febrik の Uniform Melange の明快な品質に惹
きつけられました。

Internal Windows – Akane Moriyama

ストックホルムを拠点とする建築家、アーティストの Akane Moriyama は、テ
キスタイルがいかに空間の隠れた性質を分断し、顕わにし得るかを追求する視点
をベースに制作活動を展開しています。 「Internal Windows」は、室内と屋外
の境に立つフレーム、その材質が光の屈折、歪んだ歪み、曇りガラスなどの現象を
許容する窓のタイポロジーをテーマにしています。 Gentle 2 テキスタイルを使
用した「Internal Windows」は、空間の認識を同じように形作るテキスタイルの
可能性を検証しています。

Duct-Taped Blankets – Studio Bertjan Pot

通常、厚みのあるテキスタイルの縁は同様に太いものです。 しかしなが
ら、Studio Bertjan Pot の「Duct-Taped Blankets」のケースでは、オルタナ
ティブな可能性を追求しました。 Kvadrat Febrik のニット Sprinkles テキス
タイルを使用した「Duct-Taped Blankets」は、裾縫いに新たなアプローチを見
いだしたいという欲求から生まれました。 ロッテルダムを拠点とするスタジオ
Studio Bertjan Pot は、スポーツウェアのテープ留めの継ぎ目に着想を得て、
カラーダクトテープを使用してさまざまな Sprinkles ブランケットの裾を仕上げ
ました。 工業用プラスチックテープにソフトなニットテキスタイルを組み合わせた
「Duct-Taped Blankets」は、2 つの素材が持つ視覚的・触感的なコントラスト
が特徴です。

If I Had Wings – Zaven

木から木へと飛び移るリス、空を駆け抜ける飛行機、広大な宇宙で浮かぶ宇宙飛
行士。 ヴェネツィアを拠点とするデザイン事務所 Knit! が作品作りで着想を求め
たのは飛行の魅力を捉えたイメージでした。 「If I Had Wings 」は、ニットテキ
スタイルがもたらすダイナミックな伸縮性や、さまざまな身体やインタラクション
に容易に適応できる万能性を生かした、夢想的なフライトスーツのシリーズで
す。 Kvadrat Febrik の Uniform Melange、Drop、Triangle、Plecto、
Sprinkles、Mosaic 2、Razzle Dazzle の各テキスタイルを用いた Zaven のプ
ロジェクトは、身体と重力の関わりの間に介在するニットの役割を追求していま
す。

Living Room – Visibility

友人や家族と楽しむティータイムや、トランプや食事を楽しむ心地良い空間
- 「Living Room」では、Kvadrat Febrik テキスタイルの特質を生かして、新た
なデザインテーブルを生み出しました。 ニューヨークを拠点とする Joseph
Guerra と Sina Sohrab によって設立された工業デザイン事務所 - Visibility
が手掛けた「Living Room」は、中東のダイニングや着座の伝統にインスピレー
ションを得て誕生しました。 Visibility が着目したのは、地面に近い高さで部屋
の外周に配置される着座のタイポロジーでした。「Living Room」では、ブルーの
Uniform Melange を使用し、丸いテーブルを囲むようにレイアウトされた円形
構造を提案しています。

Knit Together – Malmö Upcycling Service

Malmö Upcycling Service(MUS)は、よりサステイナブルな素材調達を目
指して 2013 年に設立されたデザインコレクティブです。 「Knit Together」は、
寿命を終えたテキスタイルを圧縮して作られたソリッドシート素材 Really Solid
Textile Boards を、ブルーの Razzle Dazzle テキスタイルでつなげた間仕切り
です。 MUS の理念に沿って、間仕切りには Kvadrat Febrik ニットテキスタイ
ルコレクションからセカンドチョイスのテキスタイルのみが使用されました。
「Knit Together」に堅さをプラスする Really ボードは、圧縮したニットファブリ
ックを使用した特注品です。

Berg – Lim + Lu

香港を拠点とするデザインスタジオ Lim + Lu が Kvadrat Febrik の 透明感の
ある Razzle Dazzle のモチーフを目にしたとき、思い浮かんだのは、互いにきし
み合いながら海に浮かぶ、巨大な氷山でした。 この視覚的連想にインスピレーシ
ョンを得て生まれたのが、テキスタイルで硬質なフォルムに柔らかさを出したラウ
ンジチェア「Berg」です。 椅子の彫刻的な組成は、さまざまな形を描く自然のモ
ニュメントでありながら、手作業で彫られたような表情を持つ、氷山の一見矛盾し
た構造を映し出しています。

Conversation Series – Adam Goodrum

オーストラリア人デザイナー Adam Goodrum がヴィクトリア朝時代の長椅子と
テキスタイルカラーブックを融合させた、シーティングコレクション
「Conversation Series」。 ヴィクトリア朝時代のラブシートにインスピレーシ
ョンを得た連結式のシートが、座る人たちの静かな会話を可能にします。
Kvadrat Febrik の Gentle 2 の多彩なトーンが溶け合い生まれる豊かな色彩
が、ニットの立体感やテクスチャーによって一層鮮やかな表情を見せてくれます。

Sundays – Paola Sakr

Paola Sakr にとって、彼女が慣れ親しんだレバノンの食事は、集いを意味しま
す。 「Sundays」は、Sakr 自身が家庭の重要な要素としてとらえているホスピ
タリティ、多様性、暖かさ、活気といった、レバノンの伝統的なダイニングルーム
に馴染み深い慣習をテーブルウェアのアイテムで表現したセレクションです。 陶
器のフォルムを生み出すために、Sakr は さまざまな Kvadrat Febrik テキスタ
イルを用いて制作を試みました。 伝統的な硬い型ではなく、Triangle、Mosaic
2、Apparel、Plecto、Uniform Melange、Sprinkles、Drop、Razzle Dazzle
を使ってさまざまなテキスタイル製の型を制作しました。 テキスタイル製の型に
入れて焼いた陶器から、焦げたテキスタイルを取り除くと、美しいテクスチャーの
柄と、テキスタイルの型によって生み出されたしなやかなフォルムが姿を現しま
す。 Sakr の手法により、ニットテキスタイルが陶器という硬質のフォルムの中で
永遠の命を宿します。

Bola – Michel Charlot

Kvadrat Febrik の Uniform Melange で覆った大胆でシンメトリカルな球体
「Bola」はスイス人工業デザイナー Michel Charlot の作品。ニットテキスタイ
ルという素材が持つ独特の特性を生かした、遊び心を感じさせるオブジェです。
Charlot は Kvadrat Febrik テキスタイルが生産されるロールの幅によって決
定される寸法から、効率的で直感的なフォルムを生み出すことを目指しました。
「Bola」のフォルムは、単純な形状から複雑な幾何学形状まで容易に対応でき
る、ニットテキスタイルの持つ優れた成形性を表現しています。 球体は対照的な
色のシンプルなツーピース模様で覆い、球体が持つ自然な形状を引き立てていま
す。

A Trifle of Colour – Yinka Ilori

座り方は私たちの身体を形作ると同時に、思考や行動に影響を与えます。 ロンド
ンを拠点とするデザイナー/アーティスト Yinka Ilori が生み出したシーティング
システム「A Trifle of Colour」は、椅子を社会的なツールとしてとらえ、人と人の
交流を形作る上で椅子が果たす役割を検証するよう促します。 「A Trifle of
Colour」は、背もたれを取り外し、調節可能なチェアとベンチのハイブリッドで、
利用者に椅子の形態や役割を自ら決定するよう促します。 インスタレーション
は、それぞれさまざまなテキスタイルで覆い、交差させて配置したベニヤ板を複
数重ねて作られています。 Ilori は色、テクスチャー、パターンが豊富な Kvadrat
Febrik の Sprinkles をインスタレーションの素材に選びました。

Wave Zero – Maria Blaisse and Bin Xu

アムステルダムを拠点とするデザイナーの Maria Blaisse と内装建築家の Bin
Xu が、Knit! の制作で目指したのは、活性化と同時に肉体をリラックスできる、
肉体を調和させる家具作りでした。 「Wave Zero」は、水の雫にインスピレーシ
ョンを得たフレキシブルなフォルムの軽いバーチウッド素材です。 凹面と凸面を
備えた「Wave Zero 」は家具の置き方により、身体を優しく包み込むことも、ス
トレッチさせることも可能。 Kvadrat Febrik の Mosaic ニットテキスタイルを
使用した取り外し可能なマットが、スリムなシートクッションとしてフレキシブルな
フォルムを引き立てています。

Garment – Ayzit Bostan

ロングドレス、クロップドフーディ、キモノコート、レイヤードスカートといったフ
ァッションを Kvadrat Febrik テキスタイルで表現した Ayzit Bostan の
「Garment」。 普段からファブリックや革を使った制作活動を行う Bostan が
手掛けた「Garment」では、Kvadrat Febrik の Plecto と Uniform Melange
が持つ柔らかさとドレープを生かして、彼女が慣れ親しんだ分野とは異なる用途
にデザインされたテキスタイルの可能性を模索しています。 Kvadrat Febrik テ
キスタイルのなめらかなドレープが意外性のあるボリュームを生み、彼女がこれま
で得意としてきた表現力の領域から、より構造的でボリュームのあるフォルムを前
面に出したミニコレクションが誕生しました。

InterPersona – Benja Harney

さまざまなフォルムが結びつき、からみ合うフィールドを現実離れした目と唇がア
クセントを添える「InterPersona」は、シドニーを拠点とするアーティスト/ペー
パーエンジニア Benja Harney による、キャラクターを抽象化した遊び心あふれ
るランドスケープです。 「InterPersona」は Kvadrat Febrik テキスタイルの
色やテクスチャーをふんだんに活かし、さまざまなジグソー状のフォルムのカバー
として使用しました。 Apparel、Sprinkles、Razzle Dazzle、Mosaic 2、
Drop 、Triangle のテキスタイルをまとった「InterPersona」のキャラクターた
ちが、無限の配置が可能なフォルムが織りなすフィールドの中で生き生きと表現
されています。

Seat Prop – Ania Jaworska

「Seat Prop」は椅子の従来的なタイポロジーを着想点に、飾り気のない形状の
クッションをプラスすることで、そのタイポロジーを曖昧にしています。 クッショ
ンは非常に構造的な外観ながら、簡単に圧縮したり、身体に沿ってたわむ、フォー
ムを使用。テキスタイルを張ったフォームクッションが家具を変容させ、座る人の
身体との間に複雑な関係を生み出します。 Kvadrat Febrik のテキスタイルコ
レクションの中から Jaworska が選んだのは、空間的な特質や、色が紫と青に美
しく変化する色彩の豊かさが特徴の Uniform Melange でした。

Dressed Up – Marie Sloth Rousing

「Dressed Up」は、衣服、オブジェ、身体の間に存在する境界を見つめた、コン
セプチュアルファッションプロジェクトです。 コペンハーゲンを拠点とするファッ
ションデザイナー Marie Sloth Rousing が手掛けた「Dressed Up 」は、チェ
アカバーとシャツの両方の特性を融合させ、オブジェにも人にも着せることができ
る、新たな形のウェアラブルを提案しています。 Apparel と Drop の Kvadrat
Febrik テキスタイルを組み合わせた Sloth Rousing のデザインが、身体とチ
ェアの両方を包み込みます。 人間の身体とオブジェの間に存在する境界線に挑
戦するこの作品は、これらの分野の理解やデザインに関する新たなアプローチに
ついて考察しています。

Ofset Chair – Ana Kras

ニューヨークを拠点とする多分野で活躍するアーティスト Ana Kraš が Ofset
Chair のために生み出した「Knit!.」。 「Ofset Chair 」では、6 つの四辺形面
を Uniform Melange、Gentle 2、Mosaic、Sprinkles の Kvadrat Febrik
の各ニットテキスタイルで仕上げています。 これらを組み合わせることで、ファセ
ットを重ね、厳格なアングルを特徴とする、待合室の椅子が持つタイポロジーを
取り入れています。 コントラストのあるテクスチャーと色が互いを補い、調和を生
み出します。 伝統的な椅子張りとは異なり、Kraš はすべての継ぎ目や縫い目を
フレームで覆いました。

An Alternative Sample Room - Elaine Yan Ling Ng / The Fabrick Lab

従来のテキスタイルサンプルルームでは、顧客は平らなテキスタイルスウォッチが
披露されます。 しかし、ほとんどの場合立体的な表面に使用されるテキスタイ
ル。サンプルルームにもこの事実を反映するべきでは?というアプローチから、
英国系中国人のマテリアルサイエンティスト Elaine Yan-Ling Ng が Knit! の
ために手がけたインスタレーションは、テキスタイルを折りたたんだり、つまんだ
り、ドレープを付けたり、しわ加工した状態で展示することで、それぞれのニットテ
キスタイルの素材が持つ可能性を印象づける、サンプルディスプレイの新たな形
を表現しています。 Ng はニットテキスタイル Razzle Dazzle をアルミニウム、
ステンレススティール、ワイヤー、PVC、竹といった素材の上に設置したり、重ねる
ことで、テキスタイルの特性を鮮やかに映し出しています。 こうして、各スウォッ
チは実際にオブジェに使用されたときの外観を示すモデルとしての役割を果たし
ます。

A Softly Winded Chair - Faysal Tabbarah (Architecture + Other Things)

Faysal Tabbarah による「A Softly Winded Chair」は、拾った木の枝が形作
る無秩序な構造に、しなやかなニットテキスタイルを精密に巻き付けた、ドラマチ
ックな対照性が特徴です。 これにより、天然素材と人口素材の境界線を曖昧に
する、示唆的な空間が生まれます。 「A Softly Winded Chair」はアラブ首長
国連邦のさまざまな場所で拾った木の枝を、Kvadrat Febrik の Apparel テキ
スタイルで包んで作られています。 枝は一本一本、荷重に適しているとデータス
キャンで分析されたものだけを厳選して使用しています。 柔軟性に富んだニット
テキスタイルがシートの形状を維持しつつ、枝の輪郭が描く自然なばらつきを映し
出しています。

Chroma Columns – Raw Color

ニットの柔らかな成形性と、エンジンやエレクトロニクスの厳格な力学を融合さ
せたインスタレーション「Chroma Columns」は、アイントホーフェンを拠点とす
るスタジオ Raw Color の作品です。 「Chroma Columns」では、動的な三角
柱が Kvadrat Febrik の さまざまな色の Planum テキスタイルで包まれていま
す。 モーターが柱を回転させる中、新たな色の組み合わせが現れ、構造をなめら
かに包み込むニットテキスタイルの柔軟性が映し出されます。 部屋の間仕切りや
吸音パネルとしても機能性を発揮する Raw Color ですが、インスタレーション
としての核心テーマはテキスタイルの個性形成において色が果たす役割の追求で
す。

Blue Velvet Colonnade – Bahraini — Danish

柔らかなフォールドが特徴の Kvadrat Febrik の Gentle 2 をドレープさせた
「Blue Velvet Colonnade」は、Batool Alshaikh、Maitham
Almubarak、Christian Vennerstrøm Jensen のデザイン会社 Bahraini
— Danish が手掛けた、しなやかな構造のインスタレーションです。 伝統的な
柱列は建物を支える構造的要素ですが、「Blue Velvet Colonnade」では、テキ
スタイルが持つ柔軟性を用いて創作素材を妨害し、自身を支えることもできず、重
さでひだが生じる構造素材に仕上げています。 Bahraini — Danish は、さらに
そこにゴールドの刺繍を施すことで、テキスタイルに挑戦しています。 柱の間にあ
しらった刺繍は、急速な変化を遂げるバーレーンの街アーリーの物語を表現して
います。 ゴールドの装飾を通じて、現代と有史以前の魅力を織り交ぜたアーリー
の街の風景を映し出しています。

Coalesce – Studio Truly Truly

テキスタイルを張ったリクライニングシートを透明なガラスベースで支えること
で、素材の対照性を追求した Studio Truly Truly の作品。 「Coalesce」は、
硬質で透明なガラスベースに Kvadrat Febrik の Gentle 2 を張った球状シー
トという、大胆な組み合わせのイージーチェアです。 デザイナーたちは、特に身
体の重さや圧力がニットテキスタイルに与える影響に注目しました。 Studio
Truly Truly のデザインは、透明ガラス経由で圧迫されたテキスタイルの美しさ
を映し出すとともに、ベースから膨れ出るテキスタイルの豊かな表情を見せてくれ
ます。 これを実現するために、デザイナーたちはテキスタイルに緩さを持たせて
最大限の伸縮を可能にする、室内装飾用テキスタイルの特殊な技法を取り入れま
した。

Shed - Julie Richoz

Julie Richoz による「Shed」は、軽量でコンパクトなテキスタイルシェルターに
新しいタイポロジーを提案する、シンプルな構造的作品です。 「Shed」 は
Kvadrat Febrik のニットテキスタイルが持つ物理的特性を生かして、エレガント
な居住空間を生み出します。サスペンション用コード、支持構造、テキスタイル固
定用ウェイト等、シンプルなディテールが鮮やかな表情を見せてくれます。 彼女
が選んだのは、裏面の色と表面の模様のコントラストが工芸的な魅力と技術的な
表情を同時に見せてくれる Plecto テキスタイルでした。彼女のシェルターの寸
法はテキスタイルロールの幅で決まります。

Hammock Chair – Wataru Kumano

デザイナー Wataru Kumano にとって、Kvadrat Febrik のニットテキスタイル
の特徴を最も良く良い表す言葉は「フレンドリー」。 パッド入りで、優しく包み込
むようなニットテキスタイルは、暖かさや心地良さのタイポロジーです。 Knit! の
ために彼が生み出した作品「Hammock Chair」は、身体の曲線に沿って優しく
包み込むニットセーターを想わせるデザインです。 「Hammock Chair」で
は、Triangle と Uniform Melange の各テキスタイルで作られたつり紐をホワ
イトアッシュの 4 本の脚から吊すことで、テキスタイルの持つ厚みのある柔らかさ
を生かして、座る人の身体のラインに心地良く沿うシートが完成しました。

Orillon – Camille Blatrix and Joschua Brunn (Carmine Brown)

デザイナーの Camille Blatrix と Joschua Brunn が作品「Orillon 」のアイデ
アを思いついたのは、かつてカウンター上で楽しむダイスゲーム 421 が人気だっ
た、パリのバーにいたときでした。 Febrik ニットテキスタイルを使ったオブジェ
制作を Kvadrat から打診された Blatrix と Brunn は、421 を楽しんだ経験か
ら、ダイストレイをデザインすることに。 ニットテキスタイルが持つ厚みは衝撃を
吸収してくれるため、飛び跳ねることなくダイスが転がることを意味します。
「Orillon」は、CNC で機械加工されたチェリーウッドのフレームで、Febrik の
Sprinkles が張られています。その遊び心のある模様は、Blatrix と Brunn のス
ポーツとゲームに対する考えにインスピレーションを得ています。

+Strap – Giulia Chéhab

Giulia Chéhab は、これまで数々の賞に輝きローザンヌを拠点に活躍する製
品・アクセサリーデザイナーです。 Chéhab が手掛けたプロジェクトの
「+Strap」は、標準的なサイズのあらゆるトートバッグに付けて、バックパックの
ように両肩にバッグの重さを分散できます。 Chéhab は、ミラノの Salone del
Mobile でブランドのロゴが入ったトートバッグを持ち歩いていた参加者たちの
様子を見て、作品のアイデアを着想しました。 今や多くのブランドのマーケティン
グ・コミュニケーション戦略の定番アイテムとなったトートバッグですが、プロモー
ション素材の重さを一方の肩にだけ掛け続けることで、身体にコリや痛みを生じ
させる原因になることに気付きました。 Kvadrat Febrik のスポンジのようにや
や厚みのあるニットテキスタイルは、重さに耐える素材として理想的でした。
Chéhab は、このプロセスでさまざまな Kvadrat Febrik テキスタイルを使用し
ました。